今日10月20日、午前11時43分頃、阿蘇山噴火のニュースが入りました。噴火による火砕流が火口から1キロ以上の地点に到達したことも確認され、気象庁は噴火警戒レベルを3に引き上げ、火口から約2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。この記事では、「噴火が起きたらどこに逃げればよいのか」、「福岡は大丈夫なのか」、「最新の被害状況」について調査しました。
阿蘇山が噴火したらどこに逃げる?
阿蘇山に限らず、まずは火山噴火が起こったらコンクリート製の丈夫な建物の中に避難しましょう!
万が一、登山途中に噴火が始まってしまった場合は、近くの山小屋に避難します。近くに山小屋や建物がない場合は岩の影に隠れて下さい。飛んでくる噴石から身を守るためにリュックサックなどの荷物でガードして下さい。
阿蘇山が噴火したら福岡は大丈夫?
9万年前、阿蘇山がASO4と呼ばれる大噴火を起こしましたが、噴火から約1時間以内に火砕流が福岡市内まで到達し、街も人も焼けて火山性ガスも停滞し、しばらくは人が住めない環境になったと言われています。火砕流は山を越えて到達しますので、阿蘇山が大噴火を起こすと、九州のほぼ全域が焼け野原になるとも言われています。
2015年に発生した阿蘇山の水蒸気噴火では、60㎞以上離れた福岡県筑後市内でも火山灰が確認されました。
火山が噴火すると、
- 大きな噴石
- 火砕流
- 融雪型火山泥流
- 溶岩流
- 小さな噴石や火山灰
- 火山ガス
などの災害が想定されます。特に、大きな噴石や火砕流、融雪型火山泥流は、火山噴火に伴ってほぼ同時に発生するため、避難迄の時間的な余裕がないため、きわめて危険な災害と言えます。
それぞれの災害が、福岡県に及ぼす影響をひとつずつ見ていきましょう。
大きな噴石の影響
噴火によって火口から吹き飛ばされる岩石のうち、20~30㎝以上の噴石は、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散します。大きな噴石となると50㎝以上になることもあり、生命に対する危険性が高く、家の中にいても安全とは言い切れません。
ただし、大きな噴石の飛来する範囲は、噴火口から2~4キロと言われているので、大きな噴石が福岡県まで飛来する可能性は低そうです。
火砕流の影響
噴火によって放出された破片状の固体と火山ガス等が混ざりあった状態のもので、地表に沿って流れる現象です。
火砕流の速度は時速100km以上、温度は400~1000度を超えることもあり(タバコの火の温度で約800℃)、火山災害の中でも最も危険な災害と言われます。
建築物や自動車が融ける危険があるため、家の中や車の中にいても安全とは言えませんし、火砕流が流れた場所に燃えるものがあれば火災が起こり、非常に危険です。
大規模な火山噴火が起こった場合、火砕流は数千㎢を一瞬で覆いつくしてしまうと考えられているので、噴火の予兆が感じられた場合は、一刻も早く非難する必要があります。
なので、万が一、阿蘇山で大規模な噴火が起こった場合、火砕流は福岡県に多大な影響を及ぼすと考えられます。
融雪型火山泥流
融雪型火山泥流は、火山活動で火山を覆っている雪や氷が融かされることで発生し、火山噴出物と水が混ざりあった状態のもので、地表に沿って流れる現象です。
融雪型火山泥流の流れる速さは時速数十kmにもなり、谷筋や沢沿いを遠くまで流下することがあります。積雪期の噴火には融雪型火山泥流の危険がありますが、今回の阿蘇山噴火では、季節的にも融雪型火山泥流の可能性は低いと考えられます。
溶岩流の影響
溶岩流とは、800~1200度のマグマが地表を流れおちる現象です。
溶岩流の速度は(地形や四癌の温度や組成(粘度)によってかわりますが)、時速2~3キロと比較的ゆっくり流れるため、歩行による避難が可能と言われます。
溶岩流の福岡県への影響はないと考えてよいでしょう。
小さな噴石や火山灰の影響
噴火によって火口から吹き飛ばされた岩石のうち、直径数センチ程度の物を噴石と呼びます。風の影響を受けて、遠くまで流されて降り注ぐこともあります。
火口付近においては、小さな噴石でも弾道を描いて飛び散り、登山者が死傷する危険性があります。噴石の飛来範囲は噴火口から2〜4kmの範囲と考えられるので、福岡県への影響はなさそうです。
噴火によって火口から放出される固形物のなかで、比較的小さい、直径2㎜未満の物体を火山灰と呼びます。風によって火口から離れた遠い地点まで到達します。
阿蘇山の噴火で、火山灰が福岡県にも到達する可能性はかなり高いようです。
大量の火山灰を吸うと、咳が出たり、鼻・喉に不快感を感じる場合があります。喘息や気管支炎など慢性の肺疾患がある場合や重篤な心疾患がある方は、症状が悪化する恐れがあるので対策が必要となります。一般的なマスクでは火山灰を通過するので、防塵マスクが良いでしょう。
火山ガスの影響
火山ガスとは、火山活動によって地表に噴出する高温の気体のことです。噴火により、溶岩や破片状の固体物質や火山噴出物と一緒になって噴出するものもさし、「噴気」とも言います。
主な成分は、水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などです。
火山ガスを吸引すると、二酸化硫黄による気管支などの障害や硫化水素による中毒を発生するため危険なので避難が必要ですが、福岡県まで到達する可能性はなさそうです。
阿蘇山噴火の最新被害状況
福岡管区気象台の発表によりますと、10月20日(水)の午前11時43分頃、熊本県の阿蘇山・中岳第1火口で噴火が起こり、火口周辺規制の噴火警戒レベル2から入山規制の噴火警戒レベル3に引き上げられました。噴火による煙は上空3500mまで上がり、火口から約2キロの範囲に、大きな噴石や火砕流への警戒を呼びかけました。
警察によりますと、阿蘇山には20日(水)、4組11人が登山届を出して登山しており、午後3時前までに全員の下山が確認され、けがはないとのことです。
熊本県では、念のため、この他に登山していた人がいないか、確認を続けています。
ソースはコチラ→NHKニュース
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